九州大学大学院歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座 顎顔面腫瘍制御学分野 九州大学病院 顎口腔外科

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研究について

1. 口腔癌における浸潤および転移能の獲得機構の解明

2.唾液腺疾患(IgG4 関連疾患など)の免疫機構の解明

3.MRONJ(薬剤関連顎骨壊死)に対する保存的治療の有用性

<MRONJ(Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw)とは>
骨粗鬆症の治療や固形癌の骨転移や多発性骨髄腫など、さまざまな疾患への臨床応用が広がっている薬剤の使用によって顎骨壊死が生じた状態。

臨床所見
  • 骨露出/骨壊死
  • 疼痛
  • 腫脹
  • 排膿
  • オトガイ部の知覚異常(Vincent症状)
  • 潰瘍
  • 口腔内瘻孔や皮膚瘻孔
  • 歯の動揺
  • 深い歯周ポケット
  • X線写真:無変化~骨溶解像や骨硬化像

発症機序
当科では、侵襲の少ない保存的治療を行っている。

さらに、新しい骨粗鬆症治療薬によるMRONJ治療の可能性

テリパラチド(PTH): 骨粗鬆症治療薬の低用量の間欠的投与により、前駆細胞から骨芽細胞への分化を促進するとともに、骨芽細胞のアポトーシスを抑制。

骨吸収を抑制するのではなく、骨代謝を成長期の骨のように活発にし骨形成を促進させる。

症例1
症例2

4.口唇裂口蓋裂の病態解明に関する基礎的研究

口唇裂口蓋裂は多因子疾患であり、その発症要因はいまだ明らかになっていない。遺伝的要因となる疾患感受性遺伝子について、ヒトの血液から採取したDNAを用いたSNP(遺伝子多型)解析、マウスを用いた遺伝子機能解析の両面からアプローチしている。

正常なマウス口蓋の発生

口蓋癒合過程の途中で、遺伝子の機能異常が起こると口蓋裂を発症する

SNPによる関連解析

候補遺伝子のSNPをジェノタイピング

両郡間での比較を行う
  • Case郡

  • Control郡

5.口腔がん患者の生命予後に影響を及ぼす臨床病理学的ならびに画像診断学的因子に関する検討

はじめに

口腔がんは、頭頸部悪性腫瘍で最も発生頻度が高いとされています。近年の画像診断精度の向上や再建外科技術の進歩により、その生存率は向上してきている一方で、局所再発や遠隔転移により予後不良の転帰を辿ることも少なくありません。口腔がんは、局所浸潤傾向が強く、比較的高頻度で頸部リンパ節転移を引き起こすため、口腔内の腫瘍と頸部リンパ節転移をいかに制御するかが患者さんの生命予後にとって重要となります。術前の病理標本や画像検査等で局所領域の制御に関わる重要な因子を同定できれば、その結果を治療方針に反映でき、より効果的な治療法を行うことが可能であると考えられます。しかしながら、これらの有用な臨床病理学的ならびに画像診断学的因子については明らかではありません。 そこで本研究では、口腔がん患者さんの生命予後に重大な影響を与える臨床病理学的ならびに画像診断学的因子を同定することを目的とし、生検組織を用いてがんの浸潤・転移に関与する遺伝子の発現を検索するとともに、画像診断学的パラメーターと臨床病理学的所見ならびに予後との関連について解明しようとするものです。

対象

 九州大学病院顎口腔外科で平成12年1月1日から平成27年12月31日までに、口腔がんや前癌病変である口腔白板症と診断された方の生検または切除標本のうち、約500名を対象にします。 対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。

研究内容

 当科で生検あるいは切除標本を用いて、浸潤・転移に関わる蛋白質の発現や局在を免疫染色で調べます。この染色結果と臨床病理学的所見ならびに予後との関連について検討を行い、これらの蛋白質が口腔がんの浸潤や転移にどのように関わっているかについて口腔がん細胞株を用いて考察します。
 また、治療前後に行った各種画像検査(造影CT検査、造影MRI検査、超音波エコー検査、FDG-PET検査、上部消化管内視鏡検査)の検査結果を詳細に解析し、さまざまな画像診断学的パラメーター(SUVmax、time-intensity curve、K(trans)など)と臨床病理学的所見ならびに予後との関連について検討を行います。 この研究を行うことで患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることはありません。

個人情報の管理について

 個人情報漏洩を防ぐため、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野においては、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができないようにしております。 本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。 また、本人等が希望する場合は研究計画書及び資料等を入手又は閲覧することができ、開示の求めがあった場合は、保有する個人情報のうちその本人に関するものについて開示いたします。

データの二次利用について

 本研究において採取した試料、得られたデータ等は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野において、同分野教授 中村誠司の責任の下、研究期間終了後10年間保存した後、登録番号等を消去し、医療廃棄物として廃棄します。  上記の試料、データ等のうち、あらかじめ文書で同意を得られたものについては、将来別の医学研究に二次利用する目的で、前述の保存期間を超えて保存します。二次利用する試料、データ等は将来新たに計画・実施される医学研究が倫理審査委員会で承認された後に利用します。

研究期間

研究を行う期間は、承認日より平成33年3月31日までです。

医学上の貢献

本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、将来研究成果は口腔がんの浸潤・転移のメカニズムの解明及び新しい治療法の発見の一助になり、多くの患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。

研究機関
  • 研究責任者
  • 九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野
    教授・中村 誠司
  • 研究分担者
  • 九州大学大学院歯学研究院口腔病理学分野
  • 教授・清島 保
  • 九州大学大学院歯学研究院口腔画像情報科学分野
  • 准教授・筑井 徹
  • 九州大学病院・顎口腔外科
  • 講師・川野 真太郎(研究計画書作成担当者)
  • 講師・大部 一成
  • 助教・松原 良太
  • 医員・神野 哲平
  • 医員・北村 亮二
  • 医員・丸瀬 靖之
  • 医員・金子 直樹
  • 医員・坂本 泰基
  • 医員・橋口 有真

連絡先:〒812-8582
福岡市東区馬出3-1-1 九州大学病院 顎口腔外科
Tel:092-642-6447
担当:川野 真太郎

6.治験

顎変形症術後患者への胃管挿入による苦痛の比較と必要性の検討

1. 臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院顎顔面口腔外科では、現在顎変形症の患者さんを対象として、手術後の胃管挿入に伴う苦痛に関する「臨床研究」を行っています。
今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、平成31年12月31日までです。

2. 研究の目的や意義について

 顎変形症患者の手術後の栄養管理として、経鼻経管栄養が多用されています。しかし、手術後に嘔気・嘔吐が多く発現しており、経管栄養剤の注入が困難である症例や経管栄養剤を注入しないまま胃管抜去となる症例が散見されているのが現状です。
 2017年の顎変形症学会の調査では、手術後に胃管挿入はせず、経静脈栄養のみで栄養管理を行う施設が多くなってきているとの報告がされています。当科でも手術後に胃管挿入はせずに、経静脈栄養による栄養管理を行う症例を数例経験しており、胃管挿入をしていない症例の方が嘔気・嘔吐の訴えが少なく状態が安定していました。そこで、顎変形症の手術後の胃管挿入の必要性を検討するために、胃管挿入の有無による患者への苦痛の相違を明らかにすることを目的とし、顎変形症術後患者の苦痛の軽減に意義があると考え本研究を計画しました。

3.研究の対象者について

九州大学病院顎口腔外科において、平成27年1月1日から倫理審査承認日までに顎変形症の手術を受けた患者さん50名程度を対象とします。
研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

4.研究の方法について

 この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。取得した情報を分析し、顎変形症術後の胃管挿入に伴う苦痛の程度・内容を明らかにします。
〔取得する情報〕
年齢、性別、体重、胃管留置日数、嘔気の訴え、嘔吐の有無、制吐剤の使用回数、胃部不快の訴え、呼吸困難感の訴え、胃管挿入による不快感の訴え、血液生化学検査所見(WBC、CRP、TP、Alb)、排便回数、便性状、術後入院日数

5.個人情報の取扱いについて

 研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学病院北7階1病棟ナースステーション内鍵付き棚のUSBに保存します。この棚の鍵は看護師が常時管理しており第三者が扱うことはありません。また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学病院看護部・看護部長・濱田 正美の責任の下、厳重な管理を行います。

6.試料や情報の保管等について

〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学病院看護部・看護部長・濱田 正美の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

7.研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示や資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

8.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所(分野名等) 九州大学病院顎顔面口腔外科
研究責任者 九州大学病院看護部 看護部長 濱田 正美
研究分担者 九州大学病院北棟7階1病棟 看護師長 荒木 千恵子
九州大学病院北棟7階1病棟 看護師 鶴田 清子
九州大学病院北棟7階1病棟 看護師 金崎 有里子
九州大学病院北棟7階1病棟 看護師 有水 沙也加
九州大学病院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野助教 林田 淳之介
9.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
事務局(相談窓口)
Tel:092-642-6455(内線6455)
mail:arimizu@med.kyushu-u.ac.jp
担当者:九州大学病院北棟7階1病棟 有水 沙也加

口蓋裂言語評価の標準化に向けた多施設共同研究

1. 臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法,治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院顎口腔外科では、現在、口唇口蓋裂の患者さんを対象として,言語評価に関する「臨床研究」を行っています。

 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2026年3月31日までです。

2. 研究の目的や意義について

 当科では、日本の口蓋裂を専門とする多施設研究にて、病院が変わっても、同じ評価基準で言語評価ができる方法を確立することを目的とし、日本版標準的口蓋裂言語評価法の策定をしてまいりました。今後は、この評価法を運用するにあたり、そのトレーニング講習を行い、本評価法の信頼性を確認する必要があります。トレーニングプログラムが完成すれば、国際的にも同じ基準で比較できる評価が日本でも可能となり、口蓋裂の言語療法の治療の質の向上が期待できます。

3.研究の対象者について

 今回の研究は多施設研究です。研究に参加する施設は、九州大学病院、昭和大学歯科病院,鹿児島大学病院、山本歯科医院矯正歯科クリニック、大阪大学歯学部附属病院、帝京平成大学、愛知学院大学歯学部附属病院、おぎはら耳鼻咽喉科、北里大学病院、倉重こどもクリニックです。口唇口蓋裂の言語障害は多彩なため、音声資料を多く収集する必要があります。そのため、今回,新規に九州大学病院、昭和大学歯科病院、鹿児島大学病院、山本歯科医院矯正歯科クリニック、大阪大学歯学部附属病院、愛知学院大学歯学部附属病院、北里大学病院、倉重こどもクリニックで70名の音声資料を収集する予定ですが、先行研究(2018年〜2023年3月:課題名「口蓋裂言語評価の標準化に向けた多施設共同研究」)にて収集した既存の音声資料と診療情報も、トレーニングプログラムの再利用も検討します。
 新規の音声資料に関しては、研究許可日から2026年3月31日までに九州大学病院顎口腔外科に口唇口蓋裂で入院または通院されている患者さんで、口蓋形成術後に言語管理をされている10名を対象とさせていただく予定です。
 先行研究の既存の音声資料の対象の患者さんに関しては、現在、通院中の方に関しては新規に同意書をいただく予定ですが、通院されていない場合はHPによるオプトアウト形式で研究の告示をさせていただきます。

4.研究の方法について

 この研究を行う際は、診療録より以下の情報を取得します。先行研究で考案した標準的口蓋裂言語評価法に基づき、ことばのサンプル文の復唱や自由会話、数唱の録音を行います。収集された音声資料を九州大学病院、昭和大学歯科病院、鹿児島大学病院、山本歯科医院矯正歯科クリニック、大阪大学歯学部附属病院、帝京平成大学、愛知学院大学歯学部附属病院、おぎはら耳鼻咽喉科、北里大学病院、倉重こどもクリニックの言語聴覚士が聴き、トレーニング講習会用の音源を選択し、講習会プログラムを作成します。次にそのビデオや音声を講習会に参加した言語聴覚士が講習会前・講習会直後・講習会終了2週間後に聴いて、評価法が適切であるか、妥当性や信頼性を検討します。聴覚判定するは研究対象者を知らない施設の言語聴覚士が行います。信頼性の検討は九州大学顎口腔外科で解析を行います。

〔取得する情報〕
 口唇口蓋裂患者の音声/録画資料 医療情報(口蓋裂の裂型,年齢,性別)
 今回の資料は、多施設の機関で検討します。他機関への情報の送付を希望されない場合は、送付を停止いたしますので、ご連絡ください。

 共同研究機関の研究対象者の音声サンプルについても、セキュリティーを考慮し、ビジネス版Dropboxにて収集し、詳しい解析を行う予定です。

5.研究への参加とその撤回について

 この研究への参加はあなたの自由な意思で決めてください。同意されなくても、あなたの診断や治療に不利益になることは全くありません。
 また、いったん同意場合でも、あなたが不利益を受けることなく、いつでも同意を取り消すことができます。同意を撤回されたい方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、下記の相談窓口までご連絡ください。
 その場合は、収取された情報や音声資料などは廃棄され、取得した音声情報もそれ以降はこの研究目的で用いられることはありません。ただし、同意を取り消した時にすでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、完全に廃棄できないことがあります。

6.個人情報の取扱いについて

 研究対象者の診療録の情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。他の研究機関の研究対象者の場合も同様な手続きを取り、研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルを作成し、暗号化した後にデータ分析を行います。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。尚,将来,幼児であった研究対象者が成人し、ご本人から使用を控えたいというご希望がある場合は、研究対象者から外させて頂きますので、お申し出下さい。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野・教授・川野 真太郎の責任の下、厳重な管理を行います。
 研究対象者の診療録の情報や録音/録画資料を評価のため、資料は九州大学に集約されます。他施設と九州大学の情報の共有をするには、九州大学や関連施設にて上記の処理をした後に行いますので、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。
 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

7.試料や情報の保管等について

〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者の診療録の情報と録音等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野・教授・川野真太郎の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
 また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の歯学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される歯学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

8.この研究の費用について

 この研究に関する必要な費用は、日本学術振興会科学研究費 基盤(C)と日本口蓋裂学会Japancleft委員会言語評価ワーキンググループの研究運営費でまかなわれます。

9.利益相反について

 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は日本学術振興会科学研究費 基盤(C)と日本口蓋裂学会Japancleft委員会言語評価ワーキンググループの研究運営費であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。

10.研究に関する情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、この研究では、学会等への発表や論文の投稿により、研究成果の公表を行う予定です。

11.特許権等について

 この研究の結果として、特許権等が生じる可能性がありますが、その権利は九州大学及び共同研究機関等に属し、あなたには属しません。また、その特許権等を元にして経済的利益が生じる可能性がありますが、これについてもあなたに権利はありません。

12.研究を中止する場合について

 研究責任者の判断により、研究を中止しなければならない何らかの事情が発生した場合には、この研究を中止する場合があります。なお、研究中止後もこの研究に関するお問い合わせ等には誠意をもって対応します。

13.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所(分野名等) 九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野
九州大学病院顎口腔外科
研究責任者 九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野・教授・川野真太郎
研究分担者 九州大学病院顎口腔外科・講師・光安岳志
九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野・共同研究員・緒方祐子
九州大学病院顎口腔外科・言語聴覚士・長谷川幸代
共同研究施設
及び
試料・情報の提供のみ行う施設
施設名/研究責任者の職名 氏名 役割
昭和大学・
講師・武井良子
(学長 久光 正)
情報収集・
プログラム考案/運営
鹿児島大学・
助教・手塚征宏
(医歯学総合研究科長 橋口照人)
情報収集・
プログラム考案/
運営
山本歯科医院矯正歯科クリニック・
言語聴覚士・藤原百合
(院長 山本一郎)
情報収集・
プログラム考案/
運営
大阪大学歯学部附属病院・
言語聴覚士主任・杉山千尋
(病院⻑ 林美加⼦)
情報収集・
プログラム考案/
運営
帝京平成大学・
講師・佐藤亜紀子
(学長 冲永 寛子)
プログラム考案/
運営
おぎはら耳鼻咽喉科・
言語聴覚士・鈴木恵子
(院長 荻原敦子)
プログラム考案/
運営
愛知学院大学・
准教授・早川統子
(学長 引田弘道)
情報収集・
プログラム考案/
運営
北里大学・
助教・水戸陽子
(理事長 小林弘祐)
情報収集・
プログラム考案/
運営
倉重こどもクリニック・
言語聴覚士・緒方祐子
(院長 倉重弘)
情報収集・
プログラム考案/
運営
14.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。

九州大学 事務局(相談窓口)
Tel:092-642-6458(内線6458)
Fax:092-642- 6386
mail:hasegawa.sachiyo.029@m.kyushu-u.ac.jp
担当者:九州大学病院 顎口腔外科 長谷川幸代

昭和大学 事務局(相談窓口)
Tel:03-3787-1151(内線382)
Fax:03-3787-1229
mail:yoshiko@dent.showa-u.ac.jp
担当者:昭和大学歯科病院 リハビリテーション室 武井良子

鹿児島大学
Tel:099-275-6242
Fax:099-275-6248
mail:tetsu@dent.kagoshima-u.ac.jp
担当者:鹿児島大学口腔顎顔面外科 手塚征宏

山本歯科医院矯正歯科クリニック
Tel:0798-54-0863
mail:fujiwarayuri12@gmail.com
担当者:山本歯科医院矯正歯科クリニック 藤原百合

大阪大学歯学部附属病院
Tel:06-6879-2278
Fax:06-6879-2279
mail:sugiyama-c@office.osaka-u.ac.jp
担当者:大阪大学歯学部附属病院 顎口腔機能治療部 杉山千尋

帝京平成大学
Tel:03-5843-3271
mail:akiko.sato@thu.ac.jp
担当者:帝京平成大学 池袋キャンパス 健康メディカル学部 言語聴覚学科 佐藤 亜紀子

おぎはら耳鼻咽喉科
Tel:042-750-3387
Fax:042-750-3366
mail:stsuzuki101@gmail.com
担当者:おぎはら耳鼻咽喉科 鈴木恵子

愛知学院大学
Tel:0561-73-1111
Fax:0561-73-1142
mail:hayakawa@dpc.agu.ac.jp
担当者:愛知学院大学 健康科学部 健康科学科

北里大学
Tel:042-778-9661
Fax:042-778-9683
mail:mizuto@kitasato-u.ac.jp
担当者:北里大学 医療衛生学部リハビリテーション学科 言語聴覚療法専攻 水戸陽子

倉重こどもクリニック
Tel:093-644-2350
Fax:093-645-2360
mail:ogata.yuko.003@m.kyushu-u.ac.jp
担当者:倉重こどもクリニック 緒方祐子

当科における下顎骨関節突起骨折に対する
観血的整復固定術の治療成績の検討

1. 臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。患者さんの生活習慣や検査結果、疾病への治療の効果などの情報を集め、これを詳しく調べて医療の改善につながる新たな知見を発見する研究を「観察研究」といいます。その一つとして、九州大学病院顎口腔外科では、現在下顎骨関節突起骨折の患者さんを対象として、術中および術後の経過に関する「観察研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2028年1月4日までです。

2. 研究の目的や意義について

 下顎骨の運動に関わる関節突起は顎顔面骨骨折の好発部位の1つであり、顎顔面骨骨折の内、約20-50%をも占めると言われています。下顎骨関節突起骨折に対する手術については様々な術式が用いられています。しかし、それらの術式を比較した研究は未だ充実していません。当科ではこれまで2種類の術式を用いて手術を行ってきました。この2つの術式の特徴を明らかにするため、術中および術後所見について比較・検討を行うことによって、より術後合併症の少ない治療の提供ができるようになっていくものと考えています。

3.研究の対象者について

 九州大学病院顎口腔外科で2013年4月1日から2022年3月1日までに、下顎骨関節突起骨折に対する観血的整復固定術を受けた方を対象にします。 対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。

4.研究の方法について

 診療録と、治療のために撮影した画像をもとに、手術に要した時間、術後開口量、術後顔面神経麻痺の有無などを比較・検討を行います。この研究を行うことで患者さんに余分な負担が生じることはありません。

〔取得する情報〕
 骨折部位、手術時間、術後顔面神経麻痺の有無、術後の開口量、術後の咬合不全の有無

5.個人情報の取扱いについて

 研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、容易に研究対象者が特定できる情報を削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面制御学分野・教授・中村 誠司の責任の下、厳重な管理を行います。

6.試料や情報の保管等について

〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野において同分野教授・中村 誠司の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

 また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について

 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は部局等運営経費・講座寄附金を用いるため、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。

8.研究に関する情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

9.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所 九州大学病院顎口腔外科
九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野
研究責任者 九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 教授 川野 真太郎
研究分担者 九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 教授 川野 真太郎
九州大学病院顎口腔外科 診療講師 森山 雅文
九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 共同研究員 丸瀬 靖之
九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 助教 金子 直樹
九州大学大学院歯学府顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 濱 栞音
10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。
事務局(相談窓口)
Tel:092-642-6447(内線6447)
FAX:092-642-6386
mail:moriyama@dent.kyushu-u.ac.jp
担当者:九州大学病院顎口腔外科 診療講師 森山 雅文

炎症制御分子が口腔扁平上皮癌の
予後に与える影響についての研究

1. 臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院顎口腔外科では、現在、口腔扁平上皮癌の患者さんを対象として、炎症制御分子が癌の予後に与える影響に関する「臨床研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、令和7年11月30日までです。

2. 研究の目的や意義について

 口腔扁平上皮癌組織での炎症制御分子(CCR7およびPRIP)の発現程度ががん診断時における予後の予測因子になり得るかを検討することを目的としています。これらの分子が予後を予測する有用なバイオマーカーになることが示されれば、診断時に手術や化学療法、放射線療法などの治療法を選択する際の一助となります。

3.研究の対象者について

 九州大学病院顎口腔外科において平成2年1月1日から令和2年11月30日までに口腔扁平上皮癌の診断で生検または腫瘍切除術を受けられた方の切除組織のうち、60名を対象にします。

4.研究の方法について

 この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。また、保管されているパラフィン包埋組織を用いて、免疫染色および遺伝子抽出という方法でCCR7とPRIPの発現レベルを測定します。測定結果と取得した情報の関係性を分析し、予後に対する影響を明らかにします。
〔取得する情報〕
 年齢、性別、診断(ステージ分類)、転帰

5.個人情報の取扱いについて

 研究対象者の病理組織、測定結果、カルテの情報をこの研究に使用する際には、容易に研究対象者が特定できる情報を削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院口腔機能分子科学分野・教授・兼松隆の責任の下、厳重な管理を行います。

6.試料や情報の保管等について

〔試料について〕
 この研究において得られた研究対象者の血液や病理組織等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院口腔機能分子科学分野において同分野教授・兼松隆の責任の下、5年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院口腔機能分子科学分野において同分野教授・兼松隆の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
 また、この研究で得られた研究対象者の試料や情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について

 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は文科省科研費および部局等運営費であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
 利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

8.研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

9.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所(分野名等) 九州大学大学院歯学研究院口腔機能分子科学分野
九州大学病院顎口腔外科
研究責任者 九州大学大学院歯学研究院口腔機能分子科学分野 教授 兼松隆
研究分担者 九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 教授 中村誠司
九州大学歯学研究院口腔病理学分野 教授 清島保
九州大学大学院歯学研究院附属OBT研究センター 准教授 溝上顕子
九州大学病院顎口腔外科 病院講師 森山雅文
九州大学大学院歯学研究院口腔機能分子科学分野 助教 佐野朋美
10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
事務局(相談窓口)
Tel:092-642-6447(平日8:30~17:15)/ 092-642-6455(夜間・休日)
mail:moriyama@dent.kyushu-u.ac.jp
担当者:九州大学病院顎口腔外科 病院講師 森山雅文

7.IgG4関連涙腺・唾液腺炎の診断における顎下腺超音波検査の有用性に関する多施設前向き共同研究

1. 臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学顎顔面口腔外科では、現在IgG4関連涙腺・唾液腺炎(IgG4-DS)が疑われる患者さんを対象として、IgG4関連涙腺・唾液腺炎の診断における顎下腺超音波検査の有用性に関する多施設前向き共同研究に関する「臨床研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、令和3年3月31日までです。

2. 研究の目的や意義について

 IgG4関連疾患(IgG4-RD)は、高IgG4血症と全身の罹患臓器に著明なIgG4陽性形質細胞の浸潤や線維化を伴い、同時または異時的に多発性の腫大や結節・肥厚などが生じることを特徴とする原因不明の疾患です。
 IgG4-RDの診断には、本邦から提唱された「IgG4関連疾患包括診断基準」と「臓器特異的診断基準」を組み合わせて用いられています。近年、IgG4-RDに対する認知度が高まるとともに「血清IgG4高値」のみで診断が下される例も散見されますが、悪性腫瘍や類似疾患と鑑別するために確定診断には病変局所の組織生検による病理診断が重要であることが再認識されています。唾液腺(特に顎下腺)腫脹からIgG4-RDの1つであるIgG4-DSを疑う場合、腫瘍との鑑別も考慮して全摘出されることも多く、唾液分泌機能の低下や顔面神経障害などの合併症が生じることもあります。そこで非侵襲性の新たな診断方法として超音波検査に注目し、その診断能について検討し、現行の診断基準への適応について検証を行ったところ、IgG4-DSの診断における非侵襲性の超音波検査は極めて有用であり、現行の診断基準の診断項目としても十分に適応できることが明らかになりました。
 しかしながら、超音波検査を診断項目として採用するには、更なる多施設での研究が必須です。そこで今回、評価方法を施設間で統一し、IgG4-DSの診断における多施設研究を行うこととなりました。

3.研究の対象者について

 臨床所見(腺腫脹や血清 IgG4高値など)や超音波検査以外の画像所見により、 IgG4-DSが疑われた方を対象(九州大学15名、研究全体300名)とします。
 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

4.研究の方法について

A. 各参加施設において、調査票を用いて以下の項目を前向きに収集します。検査の実施時期は問いませんが、複数回実施した場合は、診断時期に最も近いものを採用します。

1) 生年月、年齢、性別、その他初診時臨床所見(アレルギーの有無、家族歴等)
2) 発症時期
3) 診断時期
4) 最終診断
5) 罹患臓器(部位、罹患数)
6) 合併症
7) 病理所見(IgG4陽性細胞数(個)およびIgG4/IgG率(%)を含みます)
8) 血液検査(血算、IgG、IgG4、抗SS-A/SS-B抗体、抗核抗体、LDH、sIL-2など)
9) 顎下腺超音波検査所見


B.調査票は各参加施設内で匿名化されて、個人情報を含まない情報のみが研究代表施設である九州大学大学院歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野に郵送されます。この際、個人が特定できるような対応表は提供されません。研究代表施設において、各参加施設からの調査票をもとに、以下の項目を検討します。

・ 最終臨床診断(病理組織診断)を基準とした場合の顎下腺超音波検査の感度、特異度、および正診率を算出します。
・ 顎下腺超音波検査を臓器特異的診断基準の診断項目の1つである病理検査の代わりに取り入れた(血清IgG4の結果と組み合わせた)場合の感度、特異度、および正診率を算出します。

5.個人情報の取扱いについて

 研究対象者の測定結果、カルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座 顎顔面腫瘍制御学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座 顎顔面腫瘍制御学分野・教授・中村誠司の責任の下、厳重な管理を行います。
 ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

6.試料や情報の保管等について

 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座 顎顔面腫瘍制御学分野において同分野教授・中村誠司の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
 また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、研究対象者の同意がいただけるならば、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えております。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について

 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は厚生労働科学研究費補助金であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。

利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

8.研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

9.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所(分野名等) 九州大学病院 顎顔面口腔外科外来
(九州大学大学院歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野)
研究責任者 歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野・教授・中村 誠司
研究分担者 歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野・助教・森山 雅文
歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野・助教・前原 隆
口腔画像診断科・講師・清水 真弓
顎口腔外科・医員・柿添 乃理子
顎口腔外科・医員・坂本 瑞樹
共同研究施設及び試料・情報の提供のみ行う施設 施設名/研究責任者の職名 氏名 役割
※共同研究施設名簿に参照 情報の収集
10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
事務局(相談窓口)
Tel:092-642-6447
FAX:092-642-6386
mail:moriyama@dent.kyushu-u.ac.jp
担当者:歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野・助教・森山 雅文

8.口腔扁平苔癬、シェーグレン症候群およびIgG4関連疾患における唾液・腸内細菌叢と病態の関係の解明

1. 観察研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。患者さんの生活習慣や検査結果、疾病への治療の効果などの情報を集め、これを詳しく調べて医療の改善につながる新たな知見を発見する研究を「観察研究」といいます。その一つとして、九州大学病院顎口腔外科では、現在口腔扁平苔癬、シェーグレン症候群およびIgG4関連疾患の患者さんを対象として、唾液・腸内細菌叢と病態の関係に関する「観察研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2026年11月30日までです。

2. 研究の目的や意義について

 口腔扁平苔癬は頬、舌や唇にできる白い粘膜の病気です。この病気は摂食痛を生じるなど日常生活に支障をきたすこともあり、また癌化することもある難治性疾患です。口腔扁平苔癬は、未だその病因が不明であり、明確な治療法がありません。これまでの研究で私達は、免疫細胞の一種であるT細胞が病気の進展に関与すること報告してきました。
 シェーグレン症候群は初発症状としてはドライマウス、ドライアイなどを引き起こす自己免疫疾患です。これまでに私達は、唇の唾液腺でT細胞の解析を行い、シェーグレン症候群の発症のメカニズムについて報告してきました。しかしながら未だ免疫機構の全貌は解明できておらず、免疫機構を制御する確立した治療方法もなく、対症療法のみが行われているのが現状です。
 一方IgG4関連疾患は、顔の領域では涙腺および唾液腺の腫れ、そしてドライマウスが症状として現れる日本で初めて報告された病気です。しかし、いまのところ、まだ不明なことが多い病気です。
 近年の研究で唾液や腸内常在細菌の変化が全身に免疫反応の異常を惹起することが、川崎病やリウマチなどで明らかとなってきました。口腔扁平苔癬、シェーグレン症候群やIgG4関連疾患の発症にも口や腸内の細菌叢の変化が関与するのではないかと考え、本研究を計画しました。
 最終的には細菌叢をターゲットにした治療法の開発にも結びつけたいと考えております。

3.研究の対象者について

 九州大学病院顎口腔外科に口腔扁平苔癬、シェーグレン症候群やIgG4関連疾患、またはその疑いで入院または通院されている患者さんで、120名を対象に研究を行う予定です。また対照群として、抜歯や嚢胞の治療に同科に入院または通院中の患者さん40名も対象とする予定です。
 また、この研究では組織所見と細菌叢の比較も行うために、下記の先行研究に参加した方の診療情報も利用させていただく予定です。

先行研究で得られた試料・情報の利用(口腔扁平苔癬)
許可番号:2021-19
課題名:口腔扁平苔癬の病態進展メカニズムの解析
許可期間:令和1年6月21日〜令和6年3月31日
本研究に使用する試料・情報の取得期間:
平成元年4月1日〜許可日

先行研究で得られた試料・情報の利用(SS・IgG4-RD)
許可番号:29-148
課題名:IgG4関連疾患および類似疾患の病態メカニズム解明のための多施設共同研究
許可期間:平成29年6月19日〜令和3年3月31日
本研究に使用する試料・情報の取得期間:
平成元年4月1日〜許可日

研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

4.研究の方法について

 この研究を行う際はカルテより以下の情報を取得します。
〔取得する情報〕
① 年齢・性別
② 病歴に関する情報(現病歴、既往歴、家族歴、薬歴)
③ 身長、体重、体温
④ 摂食状況・排泄状況・服薬状況
⑤ 血液検査結果(CBC、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体、抗核抗体、RF、免疫グロブリン量(IgGサブセットを含む))
⑥ SS またはIgG4-DS の診断根拠となる検査
(病理検査、画像検査(CT、MRI、US、唾液腺造影、唾液腺シンチ)、唾液分泌量(ガムテスト、サクソンテスト、吐唾法)
⑦ 口腔、眼、全身所見についてのカルテ記載
⑧ 生検時の病理レポート
生検結果と取得した情報の関係性を分析し、病気の発症への影響を明らかにします。

5.個人情報の取扱いについて

 あなたの病理組織、カルテの情報をこの研究に使用する際には、あなたのお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。あなたと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、あなたが特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野・教授・中村誠司の責任の下、厳重な管理を行います。
 ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

6.試料や情報の保管等について

〔試料について〕
 この研究において得られたあなたの病理組織等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野において同分野教授・中村誠司の責任の下、5年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

〔情報について〕
 この研究において得られたあなたのカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野において同分野教授・中村誠司の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

 また、この研究で得られたあなたの試料や情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、あなたの同意がいただけるならば、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えております。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について

 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は日本学術振興会からの科学研究費(国際共同研究強化B)、持田記念医学薬学振興財団からの寄附金である持田記念研究助成、アステラス病態代謝研究からの寄附金であるアステラス病態研究助成金で、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。

利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学病院ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

8.研究に関する情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

9.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所 九州大学病院顎口腔外科
九州大学大学院医学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野
九州大学大学院医学研究院 口腔顎顔面外科学分野
研究責任者 九州大学大学院医学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野 中村 誠司
研究分担者 九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 助教 金子 直樹
九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 講師 森山 雅文
九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 准教授 川野 真太郎
九州大学歯学府顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 鮫島 潤星
九州大学歯学府顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 横溝 志保
九州大学歯学府顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 宮原 佑佳
九州大学歯学研究院口腔顎顔面外科学分野 講師 大山 順子
業務委託先 企業名等:コスモバイオ株式会社
所在地:東京都江東区東陽2-2-20
10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。
事務局(相談窓口)
Tel:092-642-6447 (内線2223)
FAX:092-642-6386
mail:kaneko@dent.kyushu-u.ac.jp
担当者:九州大学大学院歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野 助教 金子 直樹

9.顎顔面領域の悪性腫瘍、良性腫瘍および嚢胞性病変における鑑別診断に有用な画像検査所見に関する比較検討

1. 観察研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。患者さんの生活習慣や検査結果、疾病への治療の効果などの情報を集め、これを詳しく調べて医療の改善につながる新たな知見を発見する研究を「観察研究」といいます。その一つとして、九州大学病院顎顔面口腔外科では、現在顎顔面領域の悪性腫瘍、良性腫瘍および嚢胞性病変の患者さんを対象として、画像所見を用いた鑑別診断に関する「観察研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2026年1月31日までです。

2. 研究の目的や意義について

 顎顔面領域の疾患の検査としては、主に単純X線検査、CTおよびMRIと行った画像検査を用いるのが一般的です。これらの検査で病変の状態をある程度詳しく調べることができますが、類似した所見を示す病変もあり、画像検査だけでは診断に苦慮することが少なくありません。また、画像所見が類似した疾患でも、その病態の違いにより、治療法や侵襲度、予後は大きく異なります。したがって、治療開始前に画像所見からより精度の高い診断を行うことが求められています。
 そこで、今回顎口腔外科では、顎顔面領域の悪性腫瘍、良性腫瘍および嚢胞性病変の検査において診断に有用な所見を明らかにし、さらに診断アルゴリズムを作成することを目的として、本研究を計画しました。本研究を行うことで画像検査による診断精度の向上が期待できると考えます。

3.研究の対象者について

 九州大学病院顎顔面口腔外科において2007年1月1日から許可日までに悪性腫瘍、良性腫瘍ならびに嚢胞性疾患の方の画像検査データのうち、300名を対象にします。
 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

4.研究の方法について

 この研究を行う際は、カルテより下記の情報を取得します。
 下記の取得した情報を利用し、統計学的な分析により、顎顔面領域の悪性腫瘍、良性腫瘍および嚢胞性病変の診断に有用な所見を明らかにします。
〔取得する情報〕
年齢、性別、単純X線データ、C Tデータ、MRIデータ、病理組織診断所見および治療経過

5.個人情報の取扱いについて

 研究対象者の測定結果、カルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野・教授・川野 真太郎の責任の下、厳重な管理を行います。
 ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

6.試料や情報の保管等について

 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野において同分野教授・川野 真太郎の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

   また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について

 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は科学研究費(国際共同研究強化B)であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。

利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学病院ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

8.研究に関する情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

9.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所 九州大学病院 顎顔面口腔外科
九州大学大学院歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野
研究責任者 九州大学大学院歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座 顎顔面腫瘍制御学分野・教授 川野 真太郎
研究分担者 九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 助教 金子 直樹
九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 鮫島 潤星
九州大学病院口腔顎顔面外科 講師 大部 一成
九州大学病院口腔顎顔面外科 講師 光安 岳志
九州大学病院口腔顎顔面外科 講師 森山 雅文
九州大学病院口腔顎顔面外科 助教 坂本 泰基
九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 横溝 志保
九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 宮原 祐佳
九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 末吉 智貴
10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。
事務局(相談窓口)
Tel:092-642-6447 (内線2223)
mail:kaneko@dent.kyushu-u.ac.jp
担当者:九州大学歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 助教 金子 直樹

10.口腔関連免疫疾患と口腔癌および白板症において産生される抗体を用いた抗原の特定

1. 観察研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。患者さんの生活習慣や検査結果、疾病への治療の効果などの情報を集め、これを詳しく調べて医療の改善につながる新たな知見を発見する研究を「観察研究」といいます。その一つとして、九州大学病院顎口腔外科では、現在IgG4関連疾患、シェーグレン症候群、口腔扁平苔癬、口腔癌および白板症の患者さんを対象として、口腔関連免疫疾患と口腔癌および白板症において産生される抗体を用いた抗原の特定に関する「観察研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2028年3月31日までです。

2. 研究の目的や意義について

 自己の細胞や組織に対して産生される抗体は自己抗体と呼ばれ、その存在は自分に対して免疫反応が起こらないメカニズムの破綻の可能性を示しており、自己免疫疾患を始めとする異常な免疫反応下において産生が認められます。自己抗体産生細胞の同定や自己抗体産生機序の解明は、自己免疫疾患の根治的治療にも繋がるため、世界的に研究が進められているものの、未だその全容は不明なままです。
 自己免疫疾患における自己抗体や自己抗原については、病態形成の中心的な役割を担うためこれまで多くの研究がなされていますが、その多くは血液を用いた研究であり、病態の中心を形成すると考えられる罹患臓器においてはほとんど行われていません。また血液を用いた研究では、既往の感染や慢性炎症が結果に反映されてしまい、未だ統一した見解が得られていません。自己抗原もしくは自己抗体は病態形成の中心的な役割を担うため、病態の理解のみならず、将来的にはそれらを標的とするような治療応用の可能性も考慮されることから、血液のみならず罹患臓器の解析も含めた包括的な研究が待ち望まれています。
 さらに最近になって、腫瘍内の免疫細胞が、腫瘍細胞が発現する自己抗原に対する自己抗体を産生し、腫瘍の進展に抑制的に作用することが示されました。口腔癌の前癌病変である白板症においても、多くの免疫細胞が浸潤していることを考えると、同様の状態が生じている可能性は高いと考えられます。
 上記のような背景から、"各種口腔関連自己免疫疾患(IgG4関連疾患、シェーグレン症候群、口腔扁平苔癬)、悪性腫瘍および前癌病変において増加する自己抗体と自己抗原を同定する"ことを目的に本研究を構想しました。また本研究では口腔関連疾患を対象としており、口腔癌などにおいては唾液中のIgAを含む抗体の量が顕著に上昇することが知られているため、唾液も検討対象として加えることにしています。本研究が遂行された暁には、各種自己免疫疾患においては病態の理解へ向けた大きな一歩となると共に、自己抗原という自己免疫疾患の根本をなす、病態に対して直接的なアプローチを通した治療法の開発にも繋がり得ます。また口腔癌に関しては、腫瘍免疫治療の標的となり得る免疫反応が惹起されやすい腫瘍抗原が明らかになるため、大変有意義な研究であると考ています。

3.研究の対象者について

 九州大学病院顎口腔外科にIgG4関連疾患やシェーグレン症候群、口腔扁平苔癬、口腔癌または白板症とその疑いで入院または通院されていた患者さんで、下記の先行研究への参画に同意された方。また対照群として、抜歯や嚢胞の治療に同科に入院または通院中の患者さん10名も対象とする予定です。

許可番号:21108-00
課題名:口腔扁平苔癬、シェーグレン症候群および IgG4 関連疾患における唾液・腸内細菌叢と病態の関係の解明
許可期間:令和4年1月14日 ~ 令和8年11月30日
本研究に使用する試料・情報の取得期間:令和4年1月14日 〜許可日

許可番号:2021-265
課題名:口腔扁平上皮癌のがん微小環境の病態解明に向けた臨床免疫学的検討
許可期間:令和2年8月20日~令和5年3月31日
本研究に使用する試料・情報の取得期間:令和2年8月20日 〜許可日

4.研究の方法について

 カルテより以下の情報を取得します。口腔癌や白板症の患者さんにつきましては手術時に行った検査での残余分を使用させていただきます。

〔取得する情報〕
①年齢・性別
②病歴に関する情報(現病歴、既往歴、家族歴、薬歴)
③身長、体重、体温
④血液検査結果(CBC、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体、抗核抗体、RF、免疫グロブリン量(IgGサブセットを含む))
⑤各疾患の診断根拠となる検査(病理検査、画像検査(CT、MRI、US、唾液腺造影、唾液腺シンチ)、唾液分泌量(ガムテスト、サクソンテスト、吐唾法)
⑥口腔、眼、全身所見についてのカルテ記載
⑦生検時の病理レポート

 口腔関連免疫疾患と口腔癌および白板症の患者さんの血液と組織を用いてsingle cell RNA-sequenceという細胞レベルでの遺伝子解析を行い、抗体に関連する遺伝子発現を検討します。この検査はAZENTA Life Scienceという会社に依頼します。また産生された抗体と関連するB細胞を抽出しprotein arrayとantibody profilingという反応する抗原を調べる検査を行うことで自己抗原の同定を行います。この検査はFilgen biosciences & nanosciences (CDI Laboratories)に依頼します。また同定された自己抗原について、血液と組織における発現を検討し、病状との比較を行います。

5.個人情報の取扱いについて

 あなたの病理組織、カルテの情報をこの研究に使用する際には、あなたのお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。あなたと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、あなたが特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野・教授・川野真太郎の責任の下、厳重な管理を行います。
 ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
 あなたの血液、組織、唾液をAZENTA Life ScienceとFilgen biosciences & nanosciences (CDI Laboratories)へ郵送する際には、九州大学にて上記のような処理をした後に行いますので、あなたを特定できる情報が外部に送られることはありません。

6.試料や情報の保管等について

〔試料について〕
 この研究において得られたあなたの病理組織等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野において同分野教授・川野真太郎の責任の下、5年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

〔情報について〕
 この研究において得られたあなたのカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野において同分野教授・川野真太郎の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

 また、この研究で得られたあなたの試料や情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、あなたの同意がいただけるならば、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えております。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について

 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。

 本研究に関する必要な経費は日本学術振興会からの科学研究費(国際共同研究強化B、基盤研究B)、創発的研究支援事業、武田科学振興財団の寄附金であるビジョナリーリサーチ助成で、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。

利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学病院ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

8.研究に関する情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、どうぞお申し出ください。
 また、この研究では、学会等への発表や論文の投稿により、研究成果の公表を行う予定です。

9.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所 九州大学病院顎口腔外科
九州大学大学院歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野
研究責任者 九州大学大学院歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野 教授 川野 真太郎
研究分担者 九州大学大学院歯学研究院顎顔面腫瘍制御学分野 助教 金子 直樹
九州大学大学院歯学府顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 鮫島 潤星
九州大学大学院歯学府顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 陳 鵠
九州大学大学院歯学府顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 末吉 智貴
九州大学病院口腔顎顔面外科 講師 森山 雅文
九州大学病院口腔顎顔面外科 助教 坂本 泰基
九州大学大学院歯学府顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 横溝 志保
九州大学大学院歯学府顎顔面腫瘍制御学分野 大学院生 長野 晴紀
業務委託先 企業名等:AZENTA Life Science
所在地:〒142-0043 東京都品川区二葉二丁目9番15号 NFパークビルディング4階
企業名称:Filgen biosciences & nanosciences (CDI Laboratories)
所 在 地:〒459-8011 愛知県名古屋市緑区定納山一丁目1409番地
10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。
事務局(相談窓口)
Tel:092-642-6447 (内線2223)
FAX:092-642-6386
mail:kaneko@dent.kyushu-u.ac.jp
担当者:九州大学大学院歯学研究院 顎顔面腫瘍制御学分野 助教 金子 直樹